子どものいじめに対しては、裁判で訴えることも可能になっています。
いじめと聞くと軽い表現に聞こえるかもしれませんが、その内容は暴行罪や恐喝罪、窃盗に強盗など日本では刑事罰となっている罪が多いために、いじめの証拠があればこれらの罪で訴えることも可能になっています。
いじめで裁判が起こされることが少ない原因としては、「証拠が無いケースが多い」ということが挙げられます。
子どもが明らかにいじめられて家に帰ってきたとしても、いじめられているという物的証拠が無いために、裁判にならないということが挙げられます。
例えば、いじめに対する暴言などに関しても、いじめている側が「冗談だった」「遊んでいると思っていた」というような申告をするだけで、「いじめ」なのか「遊び」なのかの境界線が曖昧になってしまいますので、具体的にどのような言葉を使われたのかということを記録に残すことで裁判を起こすことが出来るようになります。
また、いじめの証拠を集めることによって、学校や警察にも積極的に働きかけることが可能になっていますので、いじめを解決するために最も大切なのは証拠を集めるということになります。もちろん、子どもへのケアも忘れてはいけません。
1. いじめは弁護士の前に探偵に相談を
いじめの問題に関して、学校側にいじめがあったということを認めさせるのは非常に簡単です。それは冒頭でも紹介したように「いじめの証拠を集める」ということになります。
そのため、弁護士に相談するのは最後にした方が良いでしょう。
弁護士に相談するというのは、いじめをしていた子どもの親に損害賠償を請求したり、学校側の管理に対して賠償を請求したりするというシーンでは大切ですが、いじめの証拠を集めるという段階では、それほど役に立たないことが挙げられます。
いじめの証拠を集めるためには、弁護士よりも探偵や興信所などの私立探偵を利用したほうが効果的だとされています。
探偵社によってはいじめ問題に関する依頼を引き受けてくれないケースも多いですが、「子どもの素行調査」という名目なら引き受けてもらえるケースが多いために、何のために探偵を利用するのかということを相談してみると良いでしょう。
探偵を利用して、第三者からの客観的なデータを残すことによって裁判でも有利になることが多くなっています。
また、証拠が集まってから学校側や警察に相談をしたいという場合には弁護士の同伴があれば真剣に対応してくれるということが挙げられますので、証拠が集まってから弁護士に相談をすると良いでしょう。
2. いじめで損害賠償を取れる?
いじめがあったということが認められれば損害賠償を請求することは可能です。
しかし、過去の判例を確認する限りでは、いじめという行為に対して正当な損害賠償金額にはなっていないというのが実状となっています。
例えば、いじめによって自殺してしまった子どもが居た場合でも、いじめと自殺の因果関係が立証されなければ自殺に対する損害賠償を請求することが出来ないということになります。
そのため、いじめがあったことに対して損害賠償を請求することが出来たとしても、治療費とは別途に慰謝料として50万円程度の請求しか出来ないということが判例で証明されているので、いじめによって子どもが自殺してしまった場合は、「いじめが行われていたことによって子どもが自殺してしまった」ということを証明しなければならないということになります。
いじめに加担している側が認めれば自殺といじめの因果関係を証明することが出来ますが、認めなかった場合には、自分で証拠を用意しなければならないので、非常に難しいという状況になります。
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