離婚した元配偶者と子供を会わせることについて、あなたはどのように考えますか?
離婚の理由にもよるのではないかと思われますが、子供がいて、離婚後に子供が寂しい思いをするであろうことや、世間の目を考えた上で、それでも離婚に踏み切った相手なわけですから、「離婚したけどとてもいい人だから、どんどん子供には会ってほしい」という人は一握りなのではないでしょうか。
夫としては最悪だったけれど、父親としては世話こそしないものの、子供と遊んだりかわいがることだけはたくさんしてくれたという相手の場合、離婚して親権が取れなかったので、せめて面会交流権だけはしっかり確保しようと交渉してくるかもしれません。
子供自身も父親のことが大好きだったりすると、面会している間に好き放題甘やかしたり、一日中楽しいことをしたりする父親のほうが好きになるのではないかとか、父親とずっと一緒にいたいというようになるのではないかと心配なこともあって会わせたくないという気持ちになることもあるでしょう。
子供と一緒に生活している母親なら、甘やかすだけでなく叱ることもしますし、生活に余裕がなければ色々なところに連れて行ったりもできないのに対し、たまに会う父親はここぞとばかりに楽しませようとするかもしれませんし・・・。
1.離婚後に面会を拒否する方法について
面会交流権は、子供の福祉のことを考えた制度ですので、母親がどれだけ嫌だと思っても、子供にとっては良い父親で、子供が健やかに成長するために必要であるなら、会うことを拒否することはできないのです。
しかし、子供がかわいいあまり、連れ去ろうとしたり、子供や親権者や監護者に暴力を振るう場合、アルコールに依存していたり親として不適格な場合、子供通じて金銭の要求をしてくる場合、子供を通じて復縁を要請してくる場合、取り決めた内容を守らない場合、子供が嫌がる場合などは拒否することができます。
その場合、元配偶者との話し合いで面会交流の拒否を受け入れてくれることが理想的ですが、多くの場合は受け入れてもらえないと思われます。
そのときは、家庭裁判所に調停を申立て、調停委員を挟んでの話し合いとなります。
面会交流をいろいろな理由をつけて会わせないでいると、相手から慰謝料を請求されたり、裁判所から○○に一度会わせるように、守らなければ1回履行を怠ることに○○円の罰金を支払うようにという判決が下されたりしますから、勝手に拒否するのではなく、面会交流権の変更申立てを行うようにしましょう。
2.面会を拒否した場合、養育費はどうなる?
「養育費はいらないから離婚したら子供には会わせない」という考えは間違いなのだそうです。
養育費を払っていても払っていなくても、親権者でない親にとって面会交流権を利用して子供と会う権利はありますし、養育費をもらっていなくても子供にとって良い影響があるなら親権者でないほうの親に会う権利があります。
ただし、養育費を払えるだけの能力があるにもかかわらず払おうとしない場合、子供に対する愛情が疑問視され、面会交流が制限されることがあるそうです。
それと同じように、面会交流ができなくなったから養育費は払わない、または減額するというのは、親がとって良い行動とは言えません。
会えるからお金を払うわけではないのです。
養育費は子供が健やかに成長するための権利なのです。
3.子供が拒否した場合、会わせる必要はなくなる?
15歳以上、もしくはそれに近い年齢で、自分の気持ちをしっかり伝えることができる子供であれば、子供の意見が尊重されます。
しかし、まだ小さな子供の場合はそうではありません。
子供自身が元配偶者から暴力を振るわれたとか、母親が暴力を振るわれているのを見ていたので元配偶者と面会すると脅えてしまったり、情緒不安定になってしまうよな場合は、調停委員にそれを証明することが必要となります。
また、家庭裁判所から調査官が家庭訪問をしたり、子供と面談したり行動を観察したりして判断することもあります。